スタッフ

監督・脚本:坂下 雄一郎

監督・脚本:坂下 雄一郎

1986年6月10日広島県出身。大阪芸術大学大学卒業後、東京藝術大学大学院映像研究科に入学。『ビートルズ』(11)や、オムニバス作品『らくごえいが』(13)の中の一編(『猿後家はつらいよ』)で注目され、大学院の修了制作『神奈川芸術大学映像学科研究室』(13)がSKIPシティ国際Dシネマ映画祭2013長編部門審査員特別賞を受賞。松竹ブロードキャスティングオリジナル映画プロジェクト第3弾の監督に抜擢され、2017年1月公開の『東京ウィンドオーケストラ』で商業映画デビューを果たす。吉沢悠主演の『エキストランド』(17年11月11日公開)に続き、本作が商業映画3作目となる。TVでは高杉真宙、葉山奨之主演の「セトウツミ」(17/TX)などでディレクターを務める。商業デビューからわずか1年で、年間約3本 というペースで作品が劇場公開されており、さらにその全てが監督自身のオリジナル脚本という、その才能に高い評価と注目が集まっている。

INTERVIEW

『ピンカートンに会いにいく』の着想のきっかけは。

制作のお話をいただいて、とにかくアイデアを書き出していった中で、唯一「いけるかも」と思ったのが「アイドルが再結成する」というものでした。なぜかというと物語の終わりが想像できたからです。もちろん題材にも興味はありました。それは自分が昔アイドル好きだったというより、どちらかというと今のアイドルについてです。今でこそ落ち着いてきているイメージがありますが、数年前はブームといっていいほど多くのアイドルがいました。でも恐らく大半の人はずっとは続けることはできず、いつか、それも比較的早めにピークを迎えそうなイメージがある。特に女性アイドル。この人たちは10年後、20年後、どうしているのだろうかと。そこに自分の個人的な事情、30歳を過ぎてたまに思うのですが、「自分はもしかしたら人生のピークがもう過ぎてしまって、盛り上がることもないかもしれない」という要素を入れ、それを認めたくない主人公が再結成の打診を受けたら、複雑な感情と皮肉さのある映画にできるのではないか、という構想からスタートしました。

映画制作にあたって意識していることは?

コンセプト感が強調された企画で、内容にユーモアがあること。尺が長すぎないこと(90分前後が理想)。主人公が25歳以上であること。なるべく私生活に関することではなく、仕事や家の外で起こる出来事や題材を入れること、などです。脚本は独りよがりにならず、でも独りよがりな部分も入れつつ、見てもらう人に楽しんでもらえるよう、わかりやすさも重視して、バランスを意識しながら書くのが理想です。学生の頃からオリジナルで作るのが当たり前な環境だったので、特に意識したことはなかったのですが、今の周りの環境を見ると、オリジナル脚本で映画を作れるということがいかに貴重かと痛感しています。

参考にしている映画監督などは?

今回に関しては、参考にしたのはビリー・ワイルダー、エルンスト・ルビッチ、プレストン・スタージェス、ハワード・ホークスのコメディやウディ・アレンの作品です。映画だと『ブロークン・フラワーズ』、『サニー 永遠の仲間たち』、『ピッチ・パーフェクト』とかですね。あと映画を作る時には、毎回撮影前と後に『キツツキと雨』を見ます。

本作で描きたかったことは?

オリジナルなので、意図しようとしまいと、自分の価値観が反映されていると思います。主人公の環境は今の自分にも重なるので、そんな状況に置かれている人物はどうしたらいいのか、ということは作っていくうちに意識することになりました。

音楽:池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)

音楽:池永正二(あらかじめ決められた恋人たちへ)

1976年大阪府出身。97年より叙情派シネマティック・ダブ・ユニット「あらかじめ決められた恋人たちへ」として活動開始。フジロックなど、幾多の大型フェスに出演。2017年結成20周年を迎える。また一方で映画音楽でも活動の場を広げ、主な作品に『もらとりあむタマ子』(13/山下敦弘監督)、『味園ユニバース』(15/山下敦弘監督)、『モヒカン故郷に帰る』(16/沖田修一監督)、『武曲MUKOKU』(17/熊切和嘉監督)などがある。